「工事現場でよく見かけるグレーやブルーのシートって、何のためにあるの?」
「防炎シートと防火シートの違いがわからない」
「シートの価格や種類が多くて、どれを選べばいいかわからない」
そんなお悩みをお持ちの方も多いのではないでしょうか。
建設・土木・リフォームなどの現場において、安全対策・近隣配慮・作業品質の維持を目的として欠かせない「養生シート」ですが、なかなかイメージが湧かない場合も多いと思います。
そこで、この記事では、養生シートの役割・種類・選び方・設置の注意点までをわかりやすくご紹介します。
足場用の養生シートとは 3つの視点で紹介します
養生シートとは、足場全体や建物の外周を覆うためのシートで、工事中の安全と環境保護を目的に設置されるものです。
塗装現場や解体工事、改修工事など、屋外での作業中に舞う粉塵・塗料・騒音・飛散物を防ぎ、周囲の方や通行人の安全を守る役割を果たしています。
素材はポリエステル・PVC(塩化ビニル)などが一般的です。
また、最近では、企業のイメージをアップのため、企業のロゴ入りや様々なカラーが採用されたケースも増えています。
単なる覆いではなく、現場全体の「印象」を左右する設備のひとつと考えられるようになりました。
ここでは、下記の点にフォーカルして養生シートを紹介していきます。
- 養生シートの主な3つの役割とは
- 養生シートの主な3つの種類と特徴とは
- 足場用の養生シートの選び方とは|4つのポイント
それでは詳しく紹介していきます。
足場用の養生シート 主な3つの役割とは
養生シートは、現場の安全確保と環境配慮を両立させる多機能アイテムです。主な役割を3つに整理してみましょう。
粉塵や塗料の飛散を防ぐ
建物の洗浄や塗装作業時には、どうしても水しぶきや塗料の飛散が発生します。
これが隣家の外壁・車両・植木などに付着すれば、トラブルの原因になりかねません。
養生シートを全面に張ることで、粉塵・汚れ・水滴の拡散を最小限に抑えることができます。
騒音の緩和
解体作業や鉄骨の組み立てなど、大きな音が発生する現場では、近隣への配慮が欠かせません。
防音仕様の養生シートを使用することで、音の反射や抜けを軽減し、作業中のストレスを減らすことが可能です。
落下物の防止
足場上の作業では、資材や工具の落下リスクが常に存在します。
養生シートは、こうした万が一の事故を防ぐ安全壁の役割を果たします。
通行人や車両への被害を防ぎ、労働安全衛生法上の安全基準を満たすためにも重要な設備です。
足場用の養生シート 4つの種類と特徴とは
現場の性質や環境によって、最適なシートは異なります。ここでは代表的な4種類を紹介します。
防炎シート
防炎シートは「消防法に基づく防炎物品」として登録されており、燃えにくく燃え広がりにくい特性を持つシートです。
高層ビルや商業施設、医療・福祉施設など、避難が難しい建物では使用が義務付けられています。
現場では「防炎マーク」のラベルが付いた製品を選ぶのが基本です。
防音シート
内部の作業音が外部へ漏れるのを防ぐ構造を持つのが防音シートです。
内部に吸音材を使用したものや、重層構造で音を遮断するタイプもあり、住宅街や学校・病院の近隣現場で特に効果を発揮します。
ただし、密閉性が高いため風圧を受けやすく、設置には十分な固定と定期点検が必要です。
防火シート
防火シートは、防炎シートよりもさらに高い耐熱性を持ち、火花・溶接スパッタの飛散防止を目的とした現場で使われます。
主に溶接・鉄骨工事・解体現場などで使用され、ガラス繊維や特殊コーティングを施した素材が多いのが特徴です。
短時間の高温に耐えるため、作業者の安全を守るうえでも重要な存在です。
メッシュシート
メッシュシートは、風を通しやすく、軽量で扱いやすいのが特徴。
外壁塗装や軽作業現場など、通気性を重視したい現場に最適です。
一方で防音効果は低めのため、用途に応じて他タイプと組み合わせて使用します。
足場用の養生シートの選び方 4つのポイントとは
養生シート選びでは、素材・防炎性能・現場条件・コストのバランスを見極めることが大切です。
用途に合わせた性能を選ぶ
現場の環境に合わせた性能を選ぶことで、作業効率と安全性を高められます。下記のその一例を紹介します。
- 塗装・洗浄工事 → 防炎メッシュシート
- 解体・鉄骨・溶接工事 → 防火・防炎ターポリンシート
- 住宅密集地・学校周辺 → 防音シート
- 短期間の仮設作業 → 軽量メッシュタイプ
サイズと間(けん)表示を理解する
養生シートは「間(けん)」という単位で表示されている場合があります。
1間とは、約1.82mのことで、たとえば「1×3間」の場合、約1.8m×5.4mのサイズです。
とても不思議な寸法ですが、工事現場ではよく使われる単位になります。
必要な枚数を算出する際には、足場の高さ・横幅・風通しなどを考慮して計画しましょう。
コストと耐久性のバランス
価格は1㎡あたりおおよそ100~200円が目安です。
防音・防火性能が高い製品ほど単価は上がりますが、再利用可能な耐久シートを選べば、長期的にはコスト削減につながります。
デザイン・景観にも配慮
近年は、企業ロゴを印刷したPR用シートや、街並みに馴染むホワイト・ベージュ系カラーの製品も増えています。
瀬口商事では、オーダープリント対応のデザイン養生シートも取り扱い可能です。様々な色もご用意しておりますので、ご希望の色がある場合もお気軽にご相談ください。
まとめ
養生シートは、工事現場における安全・品質・信頼を支える重要な存在です。
粉塵・騒音・落下物の防止はもちろん、防火・防炎といったリスク対策にも直結します。
現場の条件に合った素材・性能を選び、正しく設置・管理することが、安全で快適な工事につながります。
また、実際の施工現場では、建設業労働災害防止協会(建災防)による足場等からの墜落・落下防止対策 も重要なポイントになります。
お問い合わせ
瀬口商事株式会社では、防炎・防火・防音・メッシュなど多様な養生シートを取り扱っています。
現場の規模・用途・ご予算に応じた最適なご提案も可能です。
養生シートに関するご相談は、お問い合わせフォーム よりお気軽にどうぞ。
お電話でのご相談も承っております。





